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04





04 捧げられる私




この世に私の光が届かない地平があるだろうか



こうして太陽の当たる丘に捧げられた私は

全世界の住人が

私を崇め

私を奉り

私から放射される輝きを

一身に浴びて目に涙を浮かべている



その姿を私は見るともなく感じ

ただ玉の席に鎮座している

この誉れ高い場所に捧げられているのは

この世界を作ったものの意思

人の力では遥かに及びもつかない

大いなる宇宙を作った創造主の意思




私はだから来てやった

ここに、ただ輝きを見せつけるためだけに



さあ者共よ

私を見るがいい

こんなに大勢

集まりひしめき合い溢れている民よ



私を見るがいい



私は来てやった

この姿をくれてやろう



私が動かず喋らず意図してお前たちに働きかけたりは

全くもってしない


ここには創造主の意思があったから来た

寝そべり横たわる私を崇めても良い


私が輝く多様の丘に捧げられ

ここに鎮座しているのは

わたしの望みではない


私は宇宙の絶対神に頼まれたから


民に光を放つよよう選ばれたから


それにふさわしく軽々と輝いているから


私はここに鎮座している


爽やかな風のふくこの丘に


もっとも輝きを放つ角度で


私は創造主によって

玉の椅子に施された


誰のためにも動かず

お前たちを見物してやろう


一番に私の心をくすぐるのは

私の存在

慰みにお前たちのことも見ていてやる


好きなだけ私を崇め

人の有り様を飽くことなく見せよ

太陽の丘で私は輝いている

女神がここに

宝剣という道具の姿をとって

私はここで輝いている

隠れることは必要ない

私はここで輝いている



地中海

果樹を育てる太陽の当たる丘

ギリシャ神

彫刻でできた豪奢な椅子

寝そべる

弄ぶ楽しみがあるオファーだけを受ける

自分をほくそ笑ませるうずうずさせる黄金本位主義

絶対に崩れない剛毅さ

優雅な装い

捧げられるもの

貢がれることは当たり前で疑いが1ミリもわかない

自分と神の他に対等なレベルのものはない

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