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桃の花が咲く頃
私は生まれた
近くには
衣を洗う
綺麗な川が流れている
ここで足をつけたり
布を選択する
気持ち良さを
私は好きだった
きれいになることも嬉しかったが
純粋に手を清流につけ
その温度や
水の感触を味わうことが好きだったのだ
私は川に手を浸すと
まるで体の中にも
きれいな水の川が流れるような心地がして
うっとりすることができた
私は私の生活を愛していたし
生きることは一つづつ
用事を済ませていくことだとわかっていたから
毎日手を動かしては家のことをし
その時々に感じる
楽しいことを
人に話し
笑い
食事の支度をして
夜には家族の家で
ゆっくり眠った
私は暮らすことを楽しんでいた
同時に
私には夢があった
それは
一人で山に入って
見晴台に登り
自分だけの踊りを踊ることだった
私の願いは
私が特別に良いと感じる感覚を
自分の宝物にして
自分が踊ることで
自分の中に
良いなと感じる感覚を
たくさん集めることだった
小さい頃に一人で来て以来
その場所は私の大切な場所になった
お友達と遊んでいても
ふとこの場所を思い出すと
心の中で呼びかけ
次の日には山へ入り
見晴台に登り
自分だけの時間を楽しんだ
大人になってもその習慣は
変わらなかった
そしてある時
私は見晴台に生えていた
太く根をはった
葉の繁る木に同化して
大きな枝と幹に
張り付いたように
背中から
スルスルと
木の中に埋もれるように入っていった
少し驚いたが
木の中でも
私は息ができた
それに
私は木の中から
地面や地脈の中
地球の核の方へ降りていくことも
できた
それは
川で手をつけ遊んでいた時の感覚に似て
私を楽しませるものだった
人間の友達と遊ぶことよりも
面白いものだった
いつもは見ることができなかった
地球を内側から見ること
内側から見る風景
外にいるときに
陽が出ている日は
葉っぱに光が反射してきれいだったが
内側から見ると
天気が良くても悪くても
いつも木は自分の栄養を
いろんなところから吸収して
小粒の光を身体中に巡らせていた
人間たちの知らなかった
木の生態を見て
私はすごくワクワクした
他にもいろんな植物や
地面の中から川底を見上げているときや
山の地脈に入って
熱の流れに乗ることや
大きな岩の中で歴史時間の重なりを見ることが
ものすごく楽しい経験だった
私はこの楽しみを知ることができて
本当に嬉しかった
お友達の子達に
口で説明できるかどうかはわからないけど
このことは絶対に
良いもの!
だった
木や地面の内側に入る遊びは
絶対にいいものだったし
弱っていたり
困っていたり
近づかないほうがいいわるい場所も
私は見ることができたから
そのとき自分にできることを
ちゃんとやることができた
私は
このために生まれたと思った
何をするよりも
この楽しみを追いかけていることが
私を未来へ進ませる力になった
お友達と話ができなくても
私はこの楽しみがあるだけで
自分が生き生きして美人になっているのを知っていたし
だんだんと
元の人間関係を忘れていった
そして私には夢ができた
いつかこの
地球の内側から地球を見る遊びを
知っている誰かに会うこと
そして一緒に
これまで知って来た
たくさんのチャーミングな地球の面白いところを
調べて集めて
知恵の宝物をこの世に出すこと
考えただけで
その未来が今にもやって来て
叶う気持ちになる
私はワクワクと空を見て
高いところを飛んでいる鷹に
目で喜びの合図を送った
鷹は上空から
私のことが見えていたかどうかははっきりわからない
だけど
鷹はのびのびと
気持ちが良さそうに
大きく旋回して
風に乗り
ひらりと舞った
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