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わたしは
なんでも知りたい
わたしは素早く移動する
女神
知りたいことがあったら
すぐにそちらへ
ピュンと移動して
その場で見たり聞いたりする
気になったことは
すぐにその場へ行って
しる
そうして新しいことを知っていくのが
わたしはとても楽しい
この
すぐにピュンと飛んで
移動するのは
自然にやっていることで
取り立てて念じるようなことではない
わたしは思ったらすぐに
体がそれを具体化するので
知りたいことを見つけた瞬間に
その場に立っていることができる
わたしはそうやって
自分の喜びを体感するのが
とても好きだ
なぜなら
売れた美味しい果物を
味わうように
その時に感じることは
純粋な喜びだから
これをやらないでいる理由がない
わたしはとても喜ぶのが好きだ
自分の一番知りたいことを
素早くその場に駆けつけて
情報を体験する
ああなんて面白いんだ
知ることは
わたしのごちそうだな
そうして喜んでいると
向こうの方で
大きな波が立ち上ってくるのが見えた
ザパーンと青い波が
高く高く昇り
そのまま一筋の流れになって
空を舞っていく
わたしが喜ぶごとに
そうやって自然現象が
神格化して
新しい輪郭を持った
わたしが知ることは
わたしが喜びを味わうことは
この世に神格を生み出すことと
繋がっている
わたしが喜べば
自然に
大きな大きな良きものが
産み出される
あのように
大空を遊ぶ
青い一筋の海がいることは
みぞおちが心地よさに
震えるような眺めだった
くくくく
たのしい
知るということは
なんと良いことだろうか
わたしをこんな風に喜ばせるのだから
きっと宇宙の宝に違いない
くくくく
わたしは喜んでいる
はははは
わたしは笑っている
わたしが生み出した
数々の良きものが
あちこちで
遊び
この地平にパラダイスを作ってくれている
知るということは
なんと面白く
なんと面白いものを生み出すのだろう
わたしの喜びは
こんなに地平を楽しませるものを
産み出している
わたしはわたしの女神としての
喜びを生み出す力に
すっかり満足していた
わたしは喜ばしいものである
軽く
明るく
素早く移動して
知ることを
味わい
さらには喜びまで
産む
なんと良いものであるだろう
わたしという神は
ははぁ
わたしはわたしがうれしい
きている着物の袖を振って
両手を空に掲げ
わたしは喜んだ
そして袂から
振りまかれる
小さな色とりどりの紙吹雪が
風に乗ってひらひらと飛んでいくのを見た
小さな紙の一片までが
嬉しそうだった
喜ぶことに理由はいらない
だってこんなにうれしいのだから
わたしの知ることは
こんなに世界に良いものを産む
わたしは
うれしい
かみさまだった
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