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わたしはわたしでいることが嬉しい
広い場所で一人でいるとき
わたしはわたしでいることが嬉しい
広い場所で誰かといるとき
わたしはわたしでいることが嬉しい
爽やかな丘の上に一人でいるとき
わたしはわたしでいることが嬉しい
爽やかな丘に大勢の人と一緒にいるとき
わたしはわたしでいることが嬉しい
わたしはわたしの先祖と語らい愛されているとき
わたしはわたしでいることが嬉しい
わたしはわたしの先祖と会えず
一人でいるとき
わたしはわたしでいることが嬉しい
わたしはひとつの光の玉で
何者にも染まらない純真無垢なものを
その光の中に備えている
わたしはわたしでいるのだから
その他の誰になる必要もない
そしてわたしが
他の誰かになることも
できるわけがない
わたしはわたしでいることが嬉しいと
ちゃんと知っているのだから
いつどこにいても
わたしはわたしだった
それだけで
体は宙に浮き
自分から嬉しい気持ちが
青い波になって出てくるほどに
わたしはわたしでいることが
とても喜ばしく
わたしがわたしでいると感じられるすべての時間が愛しかった
わたしは
何をしていても
常に自分に寄り添い
自分を見つめている
自分を見つめていれば
そこはいつも世界の中心で
迷子になることなど
できはしないのだった
わたしはわたしでいて
ずっと変わらずわたしだった
わたしはわたしでいるだけで
そこが人生の表舞台だった
誰にも邪魔のできないステージ
主演も
助演も
スタッフも
観客も
すべてわたしが務め
そして
その自分らしい舞台表現に
わたしは満足していた
自分のままでいたいという気持ちは
わたしの奥底から湧いてくるものだった
わたしは切実なまでに
わたしの世界を表現することを愛していて
そのことが叶わないのなら
きっと心が涙を流し
少しづつ目の中に雲がかかり
だんだんと自分の足元以外は
見えなくなっていっただろう
そのくらい
わたしはわたしがわたしでいることを
深く愛していた
誰にも教わらなくとも
自分のことを良きものとし
誰も同じようでなくても
自分のことを慈しんでいた
そうして
ただ広場に立っているときでも
わたしはわたしが勇者であると感じたし
仲間と一緒にいるときも
わたしは一人自分の心を
自分で大事に思う時間を過ごしていた
そしてそのことは
柔らかい物腰で
確かなスタンスで
わたしの時間を貫いていた
わたしは初めから終わりまで
わたしだった
そして
最後に宇宙に佇むときも
きっと
わたしのまま鮮やかな地球を眺めるだろう
わたしは
ただこうして
自分でいるだけで
とても幸せだった
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